The Food Instituteは2026年8月26日、燃料高が農業、製造、冷蔵、輸送、小売、外食まで食品供給網の広い範囲に圧力をかけていると報じました。同記事は、ガソリン価格が30〜35%、ディーゼル価格が最大46%上昇したとの状況を紹介し、特に在庫できる期間が少なく、輸送頻度をあげなくてはいけない生鮮品が強い影響を受けるとしています。また、専門家の推計として、燃料費が10%上がると食品価格が2〜3%上がり得るという見方と、紛争の緊張が解けても価格影響の解消には時間がかかる可能性を伝えています。輸入事業者は「次回の運賃が下がるまで待つ」という選択肢だけでは事業が難しくなってきています。
日本食品の米国輸入では、燃料費は海上運賃だけに現れません。日本国内の集荷、港までの陸送、冷蔵・冷凍電力、海上輸送の燃料調整、米国港湾でのドレージ、鉄道またはトラック、倉庫への横持ち、地域配送、営業担当者の訪問、取引先の来店客数にまで波及します。しかも各社の請求時期がずれるため、粗利悪化は一度に見えず、数か月かけて積み上がります。
必要なのは、将来の燃料価格を当てることではありません。複数のコスト水準でも事業が回るよう、着地原価、SKU、在庫、包装、配送、価格の見直しをあらかじめしておくことです。
着地原価には、商品代、日本国内輸送、輸出関連費、海上・航空運賃、保険、関税・手数料、港湾費、通関、ドレージ、米国内輸送、倉庫入庫、温度管理、検査、破損・廃棄などが含まれます。会社によって勘定科目は異なりますが、重要なのはSKUまたはケース単位へ一貫して配賦することです。運賃を月末にまとめて販管費へ入れるだけでは、どの商品が本当に利益を生んでいるか見えません。
特に軽くて高単価の茶、調味料、乾物と、重くて低単価の飲料、瓶詰め、冷凍品を同じ比率で配賦すると判断を誤ります。重量、容積、温度帯、取り扱い回数、保管日数のどれが費用を生むかを確認し、商品群ごとに配賦基準を変えます。完璧な原価計算より、毎月同じルールで比較できることが優先です。
1パターンの価格設定では、燃料サーチャージの変化に弱くなります。基準シナリオ、輸送関連費が一定幅上がる上振れシナリオ、さらに高い強い上振れシナリオの3パターンを作ります。各シナリオで、ケース粗利、顧客別粗利、在庫日数、必要運転資金を計算しておきます。
設定価格は自社の輸送路、契約、商品構成、温度帯、配送地域によって変わってくるので、自社の請求書と入庫データを基に係数を設定していきましょう。
運賃や燃料調整額を毎日追う必要はありません。月次または輸入便ごとに、主要航路、ドレージ、倉庫燃料費、地域配送の四点を更新し、一定幅を超えたときだけ価格会議を開きます。担当者の感覚で反応すると、値上げが遅れたり、逆に小さな変動で顧客を疲れさせたりします。確認日、責任者、閾値、承認者を決めておくことが、価格の一貫性を守ります。
アンカーSKUは、顧客がその会社から仕入れる理由になる定番品です。醤油、味噌、米、海苔、だし、定番麺などが該当し得ます。多少粗利が圧迫されても欠品を避け、関係維持を優先します。成長SKUは、需要が伸び、値上げまたは追加提案の余地がある商品です。柚子調味料、特徴のある茶、地域性のあるスナックなどが候補になります。実験SKUは、市場性を検証中で、在庫回転と最小発注量を厳しく見る商品です。
燃料高の局面で全SKUへ同率の値上げをすると、定番の価格競争力を失い、動きの遅い商品はさらに回らなくなります。役割別に、守る粗利、許容在庫、値上げ幅、代替品を決めます。実験SKUは予約販売、共同購入、期間限定に切り替え、輸送便を埋める確度を上げます。
粗利率が低くても、回転が速く、他商品の受注を生むアンカーSKUには意味があります。反対に、粗利率が高くても長期保管され、少量配送が何度も発生する商品は資金と燃料を使います。ケース当たり粗利、パレット当たり粗利、倉庫一日当たり粗利、配送一回当たり粗利を並べると、運ぶ価値が見えます。
また、顧客別に注文のまとまりを確認します。小口を頻繁に注文する顧客には、最低注文額だけでなく、定期便の曜日、混載セット、予約締切を提案できます。目的は顧客を罰する手数料ではなく、双方が予測可能な配送に変えることです。
便数を減らして一回当たり輸送量を増やせば、単位運賃が下がる可能性があります。しかし、過剰在庫、賞味期限、倉庫費、保険、資金拘束のコストが増えます。特に冷蔵・冷凍品では、保管期間そのものが電力と品質のリスクです。「コンテナを満たす」ことを目的にせず、売上予測の誤差と欠品許容度を合わせて発注量を決めます。
アンカーSKUは定期便で安定させ、実験SKUは同じ便へ少量混載します。季節品は発売日から逆算し、遅延時の販売期間短縮を織り込みます。複数の日本メーカーの商品をまとめる場合は、集荷日、輸出書類、温度帯、賞味期限表示を標準化しないと、統合の効果が待ち時間で消えます。
輸送費が上がると、商品の中身よりお金をかけて空気を運んでいるようになってしまいます。薄いパウチの商品や、濃縮、詰め替え、大容量業務用は無駄な容積を減らすという点では有効な場合がありますが、米国での表示、保存性、使用量、破損、店舗の計量負荷とバランスを考えながら、なるべく輸送効率が良い商品を選定し、輸送費が着地原価を極力押し上げ無いよう注意しましょう。
ただし、濃縮度を上げれば一食当たりの輸送重量を下げられますが、希釈ミスのリスクが上がります。また、香り、酸素遮断、棚での存在感を弱める可能性があります。このようなリスクをしっかり考慮に入れる為にも物流、品質、マーケティングが一体となって最適な商品選定、輸送方法を検討することが重要です。
冷蔵品や冷凍品では、パレットを満たすだけでなく、設定温度を逸脱してしまった時の対応方法を検討しておき、データロガー、受入基準、再凍結禁止などのルールを明確にしておきます。燃料高のときほど、安い輸送会社へ変えるという判断だけでなく、上記ルールを元にした損失率を含む総費用で比較します。
価格改定の通知で必要なのは、世界情勢の長い説明ではなく、価格改定の透明性です。自社が置かれている事実や背景をしっかりと説明し、改定価格の適用日まで少し時間的猶予を持たせることも重要です。また、主なコスト要因、継続期間、代替商品の提案なども提示しましょう。一律の「燃料費上昇のため」では、顧客は値上げが恒久的なのか、便乗か判断できません。
また、値上げだけを提案しないことが重要です。発注曜日の集約、ケース構成の変更、定番と高付加価値品の組み合わせ、メニュー上の追加料金、ロス削減を一緒に検討します。取引先が最終価格を守れる方法を提示すれば、輸入業者は単なるコスト転嫁者ではなく、採算を共同管理する信頼できるパートナーになります。
最初の15日で、上位売上SKUと赤字SKUについて、重量、容積、温度帯、輸送回数、保管日数を含む着地原価を再計算します。次の15日で、アンカー、成長、実験に分類し、三つのコストシナリオで粗利と運転資金を確認します。31〜45日目には、主要顧客と配送頻度、代替包装、注文締切を協議します。46〜60日目には、二つ程度の改善策を小さく実行し、ケース当たり物流費、廃棄、在庫日数、欠品、顧客別粗利を比較します。
改善策を同時に多数導入すると、何が効いたか分かりません。例えば一つの顧客群では曜日固定配送、別のSKU群ではケース寸法変更というように、測定可能な単位で試します。燃料費が下がった場合の戻し方も決め、サーチャージや暫定価格が自動的に恒久化しないようにします。
輸送効率を上げるには、既存商品の値上げだけでなく、同じ用途でより軽かったり、濃縮度が高い、常温保管できる、ケースサイズが合うなどの商品へ構成を変える選択肢もありえます。umamill株式会社は約7,000SKUの日本食品を扱っており、用途、温度帯、容量を起点に代替候補を探す際の一つの窓口になります。採用前には、米国表示、成分、賞味期限、供給条件、実運用での使用量を個別に確認することも欠かせません。ぜひ、一度umamillへ相談してみてください。
燃料高への対応は、運賃交渉だけでは完結しません。着地原価をSKUへ配賦し、商品を役割別に管理し、在庫と便数を同時に決め、包装と温度帯を見直し、顧客と価格の条件を共有する必要があります。将来価格を予測するより、複数の状況で利益と供給を守れるルールを作る方が実務的です。日本食品の価値を米国へ届け続けるために、輸入採算を一度の計算ではなく、更新できる運営システムへ変えることが求められます。
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No End in Sight for High Fuel Costs; Food Prices Feeling Pressure | The Food Institute | August 26, 2026 |
https://foodinstitute.com/focus/no-end-in-sight-for-high-fuel-costs-food-prices-feeling-pressure/